電子的診療情報連携体制整備加算を手掛かりに、医療DX対応の有無だけでなく、電子カルテ、電子処方箋、情報共有サービス、地域ネットワークの運用状況を確認できます。加算区分と届出項目から、施設ごとの提案テーマと優先順位を決める方法が分かります。
この記事では、公的な届出書と施設情報から確認内容を分け、連携先・情報の向き・現場負担を聞く順番、状況別の提案分岐、営業リストへの記録方法を解説します。読後は、対象地域の候補を抽出し、確認元、初回質問、提案テーマ、次回連絡日を営業リストへ記録してください。
先に結論:加算区分を手掛かりに、連携運用を確認する
電子的診療情報連携体制整備加算は、令和8年度診療報酬改定に伴い、医科の初・再診料に関する加算として令和8年6月1日から実施されます。施設基準の届出書では、電子的な診療報酬請求、オンライン資格確認、医療DXに関する事項の掲示・ウェブサイト掲載に加え、区分に応じて電子処方箋、電子カルテ、電子カルテ情報共有サービスや地域ネットワークの利用体制を確認します。
営業では、制度名や届出区分を見つけた時点で、導入が必要な施設と決めません。どの情報を、どの連携先へ、どのシステムで、誰が扱っているかを確認する候補としてリストへ登録し、電子カルテ連携、電子処方箋、地域連携の運用改善などへ提案を分けます。制度の版や疑義解釈は、厚生労働省の令和8年度診療報酬改定ページで確認します。
加算の区分は、導入ニーズを断定する情報ではなく、連携状況を聞く順番を決める材料です。
届出区分ごとに提案テーマを決める
営業担当者は、制度の説明をそのまま伝えるのではなく、電子的診療情報連携体制整備加算の届出書添付書類にある確認欄を、システム・連携先・運用の質問へ置き換えます。
| 届出区分 | 届出書で確認する主な項目 | 営業で立てる仮説 | 最初に聞くこと |
|---|---|---|---|
| 加算3 | 電子請求、明細書の無料交付、オンライン資格確認、医療DXに関する掲示・ウェブサイト掲載など。届出書の3から5の欄は加算1・2の場合に記入する扱い | 基本的な医療DX運用の担当者と、次に対応したい業務を確認する | オンライン資格確認から明細書交付、ウェブサイト掲載まで、どの担当者が管理していますか |
| 加算1・2 | 加算3の項目に加え、電子処方箋または調剤情報登録、医療情報システムの安全管理、電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェース、電子カルテ製品、情報共有サービスや地域ネットワークなど | システム間の接続、情報の共有・閲覧、連携業務の担当分担を確認する | 現在の電子カルテ製品とベンダー、接続しているサービス、情報を共有・閲覧する相手先はどこですか |
加算1・2に関係する地域ネットワークについて、厚生労働省の疑義解釈では、医療機関が患者情報を他の医療機関へ共有する場合と、他の医療機関の患者情報を閲覧する場合のどちらも該当すると示されています。したがって、初回質問は「送信できますか」だけで終わらせず、共有と閲覧のどちらを行い、検査結果や画像情報など何を扱い、どの医療機関と連携しているかまで聞きます。
令和8年度改定の確認日を営業資料に残す
令和8年5月21日付の疑義解釈では、施設基準にある「厚生労働省が認証する電子カルテ製品」について、認証制度を検討中であり、具体的な製品の扱いは今後示すとされています。営業担当者は、製品名だけで適合を決めず、現行ベンダー、電子処方箋サービスとの接続状況、電子カルテ情報共有サービスへの対応時期を確認します。
同じ疑義解釈では、電子処方箋について、発行・応需、処方・調剤情報の登録、情報閲覧、重複投与・併用禁忌のチェックに対応する基本機能が示されています。電子処方箋の提案では、導入済みかどうかだけでなく、どの機能を日常業務で使っているかを質問欄に記録します。
公的資料・施設情報・質問を別欄で記録する
公的資料で照合した制度項目、施設サイトで確認した内容、先方へ聞く項目を別欄に分けると、確認済みの事実と営業担当者の次の動作が混ざりません。記録した内容は、候補の優先順位、提案テーマ、次回連絡日を決めるために使います。
- 改定資料の版、施行日である令和8年6月1日、確認日を記録する
- 届出区分を加算1・2・3のいずれかで記録し、確認元URLを残す
- 加算1・2なら、電子処方箋、電子カルテの接続先、電子カルテ情報共有サービスまたは地域ネットワークに関する確認結果を記録する
- 地域ネットワークを使う場合は、ネットワーク名、運営事務局、所在地、登録患者数、年間新規登録患者数、集計期間、連携医療機関のウェブサイト公表状況を記録する
- 施設サイトの医療DX関連の掲示・掲載、電子カルテ、電子処方箋、連携先に関する記載を確認日付きで記録する
- 施設名、地域、施設種別、診療科、電話番号、管理者・運営者、ホームページURL、開設年月日、変更日、更新日を営業リストにそろえる
- 現行システム名、担当部署、情報の向き、困っている業務、提案テーマ、次回連絡日を質問欄・営業欄に記録する
特に地域ネットワークを使う施設では、届出書にネットワーク名や運営事務局だけでなく、登録患者数、年間新規登録患者数、開始・終了年月、連携医療機関と登録患者数のウェブサイト公表状況を記載する欄があります。これらを確認できた場合は、単に「連携あり」と記録せず、次に誰へ何を聞き、どの提案をするか決められる具体性で記録します。
初回接触はシステム、連携先、運用負担の順に進める
これから示す順番で、制度項目を確認した候補に対して、電子カルテの接続状況、情報の共有・閲覧方法、現場の負担、次回提案の順に確認します。
電子カルテの現状を聞く
電子処方箋の利用方法を聞く
連携先と情報の向きを聞く
運用負担と次回条件を決める
状況別に優先順位と提案を決める
同じ加算区分でも、連携先や現場の運用によって提案内容は変わります。次の表で、確認結果に応じて優先度、初回質問、次に行う営業動作を決めてください。
| 確認できた状況 | 優先度 | 提案テーマ | 初回質問 | 営業リストに残す次の動作 |
|---|---|---|---|---|
| 加算1・2で、連携経路・連携先・共有または閲覧する情報まで確認できた | A | 共有・閲覧範囲の拡張、検査結果・画像情報の連携業務改善 | 共有・閲覧する情報のうち、担当者が最も時間を使う工程はどこですか | 連携先、対象情報、担当者、個別提案の予定日 |
| 加算1・2で、接続インターフェースは確認できたが、現場の手作業が未確認 | A | 電子カルテ・電子処方箋の接続設計と運用改善 | どの工程で転記や二重入力が発生していますか | ベンダーへの確認事項、現場担当者、次回ヒアリング日 |
| 加算3で基本項目を確認でき、上位の連携対応は未確認 | B | 電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスへの次段階の計画整理 | 今後、どの連携業務を優先したいと考えていますか | 想定時期、優先業務、決裁者、次回提案テーマ |
| 届出区分は未確認だが、施設情報を営業リストへ登録済み | C | 医療情報連携の現状確認 | 医療情報連携を担当している方と、現在使っているシステムを教えてください | 確認日、担当者、現行システム、次の質問 |
Aは接触理由と質問を個別化しやすい候補、Bは将来計画を聞いてから提案を作る候補、Cは担当者と現行システムの確認を先に行う候補です。加算名を電話の用件にするのではなく、施設の診療科や確認した連携状況を提案理由として伝えます。
電話では、施設の診療科と確認できた連携状況、提案理由を先に伝えます。
「内科・循環器内科を標榜され、電子的診療情報連携体制整備加算の加算1・2を確認したため、電子カルテ情報共有サービスと地域連携の運用を整理するご提案でご連絡しました。現在、検査結果や画像情報の共有・閲覧は、どの医療機関とどの方法で行っていますか」
連携方法と担当部署を聞けたら、次回は製品説明ではなく、接続条件や業務手順を確認する打ち合わせへ進めます。手作業や確認漏れが課題として分かれば、電子カルテ連携、電子処方箋、情報共有の運用改善のどれを提案するかを絞ります。
GasoLeadで候補抽出から接触準備まで進める
GasoLeadの医療機関リストは、全国から市区町村まで営業エリアを指定し、医療DXなどの公開情報で候補を見比べ、必要な項目を選んでCSVにできます。医療DX営業では、施設名を集めるだけでなく、制度確認、接触理由、初回質問まで用意するために使います。
具体的には、次の項目を選ぶと、候補を絞り、電話で聞く内容と提案理由を準備できます。
- 地域、施設種別、診療科目:提案対象の医療機関を営業エリアと商材で絞る
- 電話番号、管理者・運営者、ホームページURL:連絡先と、提案内容を確認するページをそろえる
- 開設年月日、変更理由、変更日、更新日:開設・変更後のシステム見直しを聞く候補を選ぶ
- DX加算、情報通信機器加算:医療DXに関する確認を始める候補の優先順位を比べる
GasoLeadを使うと、地域ごとの営業先を探し、複数ページから電話番号や施設情報を転記し、項目名や日付の形式を統一する作業を減らせます。CSVを取得した後は、営業管理欄に届出区分、確認元、連携経路、最初の質問、提案テーマ、次回連絡日を記録し、電話で確認する内容と提案理由を準備します。
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まとめ:制度名から、具体的な質問と提案を決める
電子的診療情報連携体制整備加算は、算定の有無だけを見る制度ではありません。届出区分から電子処方箋、電子カルテ、情報共有サービス、地域ネットワークの確認項目を決め、連携先、共有・閲覧する情報、現場の負担を聞いて施設ごとの提案テーマを決めます。
最初に行う作業は、対象地域の医科医療機関をリスト化し、加算区分と連携経路の確認欄を作ることです。そのうえで、施設ごとに電子カルテの現状、最初の質問、提案テーマ、次回連絡日を記録してから連絡します。