新規開局した薬局を営業先として見つけても、開設日の新しい順に電話するだけでは優先順位は決まりません。薬局としての開設許可、保険調剤を行うための保険薬局指定、現在の営業時間や管理薬剤師などは別の情報であり、さらに同じ運営者が複数店舗を持つ場合は店舗と本部のどちらへ連絡するかも考える必要があります。
この記事では、直近12か月に開設された薬局を地方厚生局や医療情報ネットから探し、開設年月日・指定日・薬局機能情報・開設者・運営者を営業リストへ整理する方法を解説します。電子薬歴、レセコン、在庫管理、調剤機器など商材との適合と開局後の時期を重ね、次に営業する調剤薬局を選べる状態まで進めます。
先に結論:新規開局薬局は「日付・運営者・商材」で絞る
日付の意味を分ける
開設年月日、薬局開設許可、保険薬局の指定日を同じ日付として扱いません。
現在の店舗情報を確認する
名称、所在地、電話番号、FAX番号、管理薬剤師、開店時間などを医療情報ネットや公式サイトで確かめます。
開設者・運営者をひも付ける
同じ運営者の店舗が複数ある場合は、店舗だけでなく本部確認の要否も営業前に仮置きします。
商材の利用場面を重ねる
薬局DX、在宅対応、従業員数、店舗数などから最初の質問を選び、導入意向そのものは接点で確認します。
新規開局は「電子薬歴や調剤機器がまだ未導入」という証拠ではありません。開局情報は、何を売れるかを決める答えではなく、現在の運用と意思決定単位を確認する入口として使います。
新規開局の薬局は、開設日の新しさだけでなく、現在の店舗情報・運営者・商材との一致を重ねて優先順位を付けます。
「新規開局」を示す3つの情報を分ける
| 確認情報 | 主な確認先 | 営業で分かること | 営業リストでの扱い |
|---|---|---|---|
| 薬局開設許可 | 都道府県・保健所の薬事担当 | 薬局として開設するための許可手続き | 許可情報を保険薬局指定と混ぜない |
| 保険薬局の指定 | 地方厚生局の指定一覧・新規指定一覧 | 公的医療保険による調剤を行う保険薬局としての指定 | 指定日など資料の項目名で別列にする |
| 薬局機能情報・現在の店舗情報 | 医療情報ネット、薬局の公式サイト | 名称、開設者、管理薬剤師、所在地、連絡先、営業日・開店時間、薬局機能など | 連絡前の現況確認として使う |
東京都の薬局開設者向け手続きでは、新たに薬局を開設するときは事前に許可を受ける必要があると案内されています。一方、保険薬局の指定申請は、公的医療保険を適用した調剤を行うための別の手続きです。
候補抽出には、地方厚生局が公開する保険医療機関・保険薬局の指定一覧と新規登録一覧を使えます。ただし、新規指定の情報をそのまま「薬局の開設日」と読み替えず、資料に書かれた日付の意味を残します。
現在の薬局情報は、厚生労働省の薬局機能情報提供制度と医療情報ネットで補います。薬局機能情報では、薬局名、開設者、管理者、所在地、電話・FAX、営業日、開店時間などが報告項目になっています。
開設年月日・指定日・現在の薬局機能を別々に残すと、直近12か月の抽出基準と連絡前の現況を混同せずに管理できます。
直近12か月の候補を作る6ステップ
対象地域と抽出基準を決める
地方厚生局から新規候補を集める
医療情報ネットで現況確認する
開設者・運営者をひも付ける
商材条件でターゲット選定する
接触結果を営業列へ追加する
自作する場合は、候補抽出、現況確認、運営者の名寄せを別工程にすると整理しやすくなります。地域ごとに公開形式が異なる資料を結合するときは、列名と日付の意味をそろえ、同一店舗や名称変更の重複を確認します。
GasoLeadで確認できる直近12か月の掲載状況
掲載件数
62,059件
対象:全国の薬局・調剤薬局
- 直近12か月の新規開局
- 3,539件
- 東京都の直近12か月の新規開局
- 501件
- 大阪府の直近12か月の新規開局
- 374件
- 神奈川県の直近12か月の新規開局
- 250件
GasoLeadでは、開設年月日をもとに直近12か月の新規開局を集計しています。掲載件数が多い地域をそのまま最優先にするのではなく、訪問が必要な調剤機器なら移動範囲、オンライン提供のSaaSや採用支援なら対応地域と営業体制を重ねます。
営業リストは「店舗」「運営者」「営業判断」を分ける
| 店舗について持つ事実 | 運営者について持つ事実 | 自社で追加する営業判断 |
|---|---|---|
| 薬局名、所在地、開設年月日 | 開設者・運営者の名称 | 店舗へ連絡するか、本部へ確認するか |
| 管理薬剤師、電話番号、FAX番号 | 同じ運営者の他店舗 | 連絡理由、優先順位 |
| 開店時間、閉店日、ホームページURL | 法人・事業者単位の公式サイト | 最初に確認する相手・部署 |
| 常勤・非常勤従業員数 | 複数店舗で共通しそうな運用の有無を確認する材料 | 比較条件、検討時期、案件状態 |
| 薬局DX、在宅薬剤、調剤基本料など | 本部機能の有無を確認する材料 | 最終接触日、次回アクション、期限 |
GasoLeadの薬局営業リストでは、電話番号、管理薬剤師名、開設者・運営者、常勤・非常勤従業員数、開設年月日、営業時間内FAX番号、ホームページURL、開店時間などをCSVへ含められます。在宅薬剤、薬局DX、調剤基本料、かかりつけ薬剤師などの情報も追加できます。
同じ運営者が複数店舗を持つからといって、すべての商材を本部へ営業すべきとは限りません。店舗で使う商材でも、契約や全店標準化を本部が担うことがあるため、営業リストでは店舗情報と運営者情報を分け、意思決定単位は接点で確認します。
商材別に「店舗か本部か」と最初の質問を決める
| 商材 | 営業前に見る情報 | まず確認する相手・単位 | 最初の質問 |
|---|---|---|---|
| 電子薬歴・レセコン | 開設年月日、運営者、店舗数、薬局DX | 単独店なら管理薬剤師・開設者、複数店なら店舗と本部のシステム所管を確認 | 現行システム、契約更新、連携、導入単位はどうなっているか |
| 在庫管理・SaaS | 運営者、店舗数、従業員数、現在の発注体制 | 店舗責任者と、複数店なら本部の業務・システム担当 | 発注・棚卸しを店舗ごとに行うか、本部で共通管理するか |
| 調剤機器 | 管理薬剤師、従業員数、開局時期、店舗規模 | 管理薬剤師を入口に、購買・設備の確認先を尋ねる | 現在の機器、設置・保守、追加・更新予定はどうなっているか |
| 在宅・服薬支援 | 在宅薬剤、かかりつけ薬剤師、地域支援体制 | 店舗の管理薬剤師・在宅担当 | 現在の訪問・記録・連携で、どの工程を見直しているか |
| 採用支援 | 常勤・非常勤従業員数、運営者、店舗数、地域 | 単独店なら店舗責任者、複数店なら本部の採用担当を確認 | 採用する職種、店舗、時期、募集を取りまとめる単位はどこか |
| ホームページ制作・MEO | ホームページURL、運営者、店舗数、開店時間 | 店舗の更新担当または本部の広報・Web担当 | 店舗情報を誰が更新し、店舗ごとと全社のどちらで承認するか |
この表は、決裁者を外部から断定するものではありません。店舗か本部かを仮置きし、最初の接点で「誰がこの業務を決めるか」を確認するための編集上の判断フレームです。
店舗と本部で初回接触を変える
店舗では、患者対応や調剤を妨げないよう、会社名、相談テーマ、確認してほしい業務を短く伝えます。管理薬剤師へ長い商品説明をするのではなく、店舗で確認できる内容か、本部へ回す内容かを聞くことが最初の目的です。
お忙しいところ恐れ入ります。薬局向けの在庫管理サービスを提供している株式会社〇〇の△△と申します。発注と棚卸しの運用について資料をご案内したく、こちらは店舗で確認される内容でしょうか。それとも本部のご担当部署へご相談したほうがよいでしょうか。
開局後の時期は質問とフォロー理由を変える目安にする
| 開局後の時期 | 最初に確認すること | 商材例 | 次回フォローの根拠 |
|---|---|---|---|
| 開局後0〜3か月 | 導入済みの電子薬歴、レセコン、調剤機器、在庫・患者案内の運用 | 在庫管理、消耗品、運用支援SaaS | 立ち上げ後に判明した運用課題、追加設定・追加導入 |
| 開局後3〜6か月 | 発注・棚卸し、スタッフ配置、ホームページ更新、在宅対応の状況 | 在庫管理、採用支援、ホームページ制作、MEO | 現在の方法と見直し意向、採用・運用計画 |
| 開局後6〜12か月 | 既存契約の評価、追加設備、新しい在宅・服薬支援、複数店舗展開 | 電子薬歴、調剤機器、在宅・服薬支援、SaaS | 契約更新、予算、新店舗・本部展開の予定 |
開局後0〜3か月、開局後3〜6か月、開局後6〜12か月という区切りは、導入需要を保証する統計ではありません。同じ経過月数でも商材や契約条件は異なるため、時期は質問内容と再連絡理由を変えるための目安として使います。
開局時期から需要を決めつけず、「今の運用」「誰が決めるか」「次に見直す時期」の3点を確認できる薬局を優先します。
よくある質問
薬局の開設許可日と保険薬局の指定日は同じですか
同じとは限りません。薬局開設許可と保険薬局の指定は別の手続きです。営業リストでは、開設年月日、許可情報、指定日を資料の項目名どおりに分け、直近12か月の候補抽出にどの日付を使ったか残します。
新規開局の薬局には店舗と本部のどちらへ営業すべきですか
商材と運営形態で決めます。店舗の日常運用に近い商材は管理薬剤師や利用者を入口にし、複数店舗の共通システム、購買、採用、Web運用に関わる場合は本部の所管部署も確認します。最初から決裁者を断定せず、店舗で判断できる範囲と本部確認が必要な範囲を聞きます。
営業リストは自作と購入のどちらが向いていますか
対象地域が少なく、数十件を深く調べるなら自作でも進められます。東京都、大阪府、神奈川県など複数地域の候補を短期間でそろえる場合は、地方厚生局の資料収集、名寄せ、運営者のひも付け、現況確認、更新にかかる時間と購入価格を比較します。購入前にはCSVサンプルと更新日を確認します。
まとめ
直近12か月に開設された薬局を探すときは、地方厚生局の保険薬局指定情報だけで完成させず、医療情報ネットで現在の店舗情報を補い、開設者・運営者をひも付けます。そのうえで商材との一致と開局後の時期を重ね、店舗と本部のどちらへ何を確認するかを決めます。
最初の一手は、候補リストへ「抽出基準の日付」「現在の店舗情報」「運営者」「最初の確認先」「次回アクション」の5列を追加することです。これで、新しい順に電話する一覧から、理由を持って新規開拓できる営業リストへ変わります。